痔とは肛門部の病気(症状)の総称

    痔の種類

  1. 痔核(いぼ痔)
    静脈叢がうっ血して肛門内に突出した状態のことを痔核とよんでいます。痔核には「内痔核」「外痔核」があります。
  2. 裂肛(切れ痔)
    かたい便が肛門から出る時に肛門上皮が切れて、はげしく痛んだり出血する状態を裂肛とよんでいます。
  3. 痔瘻(あな痔)
    肛門歯状線にある肛門腺窩というくぼみに便がつまり、大腸菌などの細菌に感染することによって起こる炎症を痔瘻とよんでいます。
  1. 痔核、裂肛(80%)
  2. 痔瘻、その他(20%)

痔核、裂肛
痔核、裂肛は姿勢を正すこと(体操療法)、体重を減らすこと、腸内環境をよくすること(食事療法)で自分で治すことができます
施術者の役割はそのためのアドバイスやお手伝いをすることです

原因

姿勢・動作(内臓下垂)、食事の内容、体重の増加、過労、薬の常用、そして、精神的なストレスなどが考えられます。便秘や妊娠、出産がきっかけになることもあります。

姿勢について

ヒトは二足歩行と引き換えに腰痛と内臓下垂、さらに痔という三重の苦難を背負ったといわれています。
したがって、健康な毎日をすごしていくためには、できるだけ腰部や肛門部に負担のかからない姿勢、できるだけ内臓が下垂しない姿勢を身につけることが重要になります。

治療

専門医への受診と並行して行います。

自然との調和

痔は生活習慣病という見方が一般的になってきています。生活習慣病を治すためには生活を正して自然治癒力を高めていけばよいのです。そのためには、ふだんの「呼吸」「睡眠」「食事」「運動」「心の持ち方」などの生活習慣をひとつひとつ、ていねいに見直していくことが大切です。痔は「食事・体重」と「運動・姿勢」を見直していくことが基本となります。

症状(部分)だけをみるのではなく生活(全体)をみる
からだは丸ごと全体でひとつです。症状(痔)を部分的に治そうとするのではなく、生活習慣(姿勢など)を見直して全体(全身)をよくしていくことが大切です。生活を正してからだ全体の気の流れ、血液の流れをよくすることによって部分(痔)は「自然」に治ってくれます

体操療法・整体

おじぎ体操、骨盤底筋体操で姿勢を調えます(調身)、呼吸を調えます(調息)、こころを調えます(調心)。よい姿勢になると腰部や肛門部に負担がかからなくなります。肛門部の血流もよくなります。下垂した内臓も元の位置に戻ってくれます。からだが楽になるとこころも楽になります。からだとこころがリラックスすると自然治癒力・免疫力・生命力が高まります。そして結果的に痔や腰痛、肩こり、便秘、下痢、冷え性など、さまざまな症状が連動して改善します。

痔などのさまざまな症状は体を守ろうとする大切なお知らせです。このままの生活を続けていると、やがては鼠径ヘルニアなどになることも考えられますよ、というシグナルでもあります。その場しのぎの治療ではなく、しっかりと原因(生活)を正して根本的に治すことが大切です。できるだけ早い段階で、これまでの自分自身の生活を見つめ直して健康な体に戻しておくことが重要です。

※当院には鼠径ヘルニアの患者さんが多く来院されます。その中には痔の手術をした人がたくさんいらっしゃいます。痔になった時に対症療法ではなく原因を正して根本的な治療をしていたら鼠径ヘルニアになることはなかったと思います。

骨盤底筋体操について

オリジナルの骨盤底筋体操(おじぎ体操)を行っています。
インナーマッスル体操、体幹トレーニング体操というよび方もできます。

動きは少ないですが、横隔膜呼吸(腹式呼吸、背中呼吸)で行いますので気持ちのよい汗が出てきます。

骨盤底筋体操を行っていて肩や腰が疲れたりするようであれば、それは正しい方法で体操が行われていないからだと思われます。
自然な動き、自然な呼吸で体操すると自然に肛門が締まり、下垂した内蔵も元の位置に戻ってくれます。

骨盤底筋体操の目的は骨盤底筋を鍛えることではなく、下垂した内蔵を元の位置に戻して骨盤底筋に負担がかかからないような体にすることが本来の目的です。内蔵が下垂したまま骨盤底筋を鍛えても疲れるだけで途中でやめてしまいたくなります。症状が改善することもありません。

正しい骨盤底筋体操を身につけると尾骨、仙骨に弾力が出てきて、泌尿器、生殖器、消化器の機能がよくなります。そして結果的に痔や頻尿、尿漏れ、前立腺肥大症、ED(勃起障害)、生理痛、子宮脱、鼠径ヘルニアなどが連動して改善してくれます。

いつでも どこでも だれにでも かんたんにできます。

くわしくは

 姿勢について おじぎ体操 をご覧下さい。
 患者様の声「痔」をご覧下さい。