内臓下垂
内臓が本来の位置よりも下がっている状態を内臓下垂とよんでいます。
そのなかのひとつに胃下垂があります。
症状
下腹部がポッコリとふくらんでいる状態です。
内臓が下垂すると腎臓、胃腸、子宮、膀胱などの機能が低下します。
そして、さまざまな症状(腰痛、痔、脱腸、子宮脱、膀胱癌など)が表われます。
骨格(背骨)も歪んできて自律神経の伝わりもわるくなってきます。
そして、さまざまな症状(食欲不振、便秘、頻尿、生理不順、肩こり、頭痛、冷え症、不眠症など)が表われます。
原因
生活習慣
姿勢・動作(内臓下垂、不自然な腹圧)、食事の内容、睡眠、精神的なストレスが考えられます
姿勢について
人は二足歩行と引き換えに腰痛と内臓下垂、さらに難産という三重の苦難を背負ったといわれています。
したがって健康な毎日をすごしていくためには、できるだけ腰に負担のかからない姿勢、できるだけ内臓が下垂しない姿勢を身につけることが重要になります。
治療
自然との調和
胃下垂・内臓下垂は生活習慣病という見方をするとわかりやすくなります。生活習慣病を治すためには生活を正して自然治癒力を高めていけばよいのです。そのためには、ふだんの「呼吸」「睡眠」「食事」「運動」「心の持ち方」をひとつひとつていねいに見直していくことが大切です。胃下垂・内臓下垂は「運動・姿勢」と「食事・内容」を見直していくことが基本となります。
症状(部分)だけをみるのではなく生活(全体)をみる
からだは丸ごと全体でひとつです。症状として表れている胃下垂を部分的に治そうとするのではなく生活習慣を見直して全体(全身)をよくしていくことが大切です。生活を正して(原因を正して)からだ全体の気の流れ、血液の流れをよくすることによって部分的に表れている胃下垂は自然に改善してくれます。
体操療法・整体
おじぎ体操、インナーマッスル体操などで姿勢を調えます(調身)、呼吸を調えます(調息)、こころを調えます(調心)。
中心軸の通ったよい姿勢になるとお腹に力が入るようになります。下垂した内臓も元の位置に戻ってくれます。からだが楽になるとこころも楽になってきます。からだとこころがリラックスすると気の流れ、血液の流れもよくなり自然治癒力・免疫力・生命力が高まってきます。内分泌・代謝、自律神経のバランスも整います。そして、結果的に胃下垂や腰痛、痔、子宮脱、鼠径ヘルニアなどが連動して改善します。
食事について
食事は土地のもの、旬のもの、丸ごと全体を感謝していただきます。
全体食にするとよく噛むようになり、少食で満腹感がえられるようになります。
空腹になるまで食事しない、ということが胃腸を丈夫にしていくコツです。 夕食はできるだけ早めに少なめにすると、翌朝はすっきりとおいしい朝食となります。
おじぎ体操について
当院ではオリジナルのおじぎ体操を行っています。
インナーマッスル体操、骨盤底筋体操、体幹トレーニング体操というよび方もできます
動きは少ないですが、横隔膜呼吸(腹式呼吸、背中呼吸)で行いますので気持ちのよい汗が出てきます。
おじぎ体操を行っていて肩や腰が疲れたりするようであれば、それは正しい方法で体操が行われていないからだと思われます
自然な動き、自然な呼吸で体操すると自然に肛門が締まり、下垂した内臓も元の位置に戻ってくれます。
おじぎ体操(骨盤底筋体操)の目的は骨盤底筋を鍛えることではなく、下垂した内臓を元の位置に戻して骨盤底筋に負担がかからないような体にすることが本来の目的です。内臓が下垂したまま骨盤底筋を鍛えても疲れるだけで途中でやめてしまいたくなります。症状が改善することもありません。
正しいおじぎ体操を身につけると骨格(背骨)が整ってきて自律神経の伝わりがよくなります。
そして結果的に自律神経の症状(頭痛、めまい、立ちくらみ、動悸、疲れ目、せき、食欲不振、便秘、下痢、かゆみ、頻尿、生理不順、ED・勃起障害、のぼせ、冷え症など)が連動して改善してくれます。
腹圧について
よい姿勢、よい動作で生活していると下腹に力が入り自然な腹圧がかかります。わるい姿勢、わるい動作で生活していると下腹に力が入らないため不自然な腹圧がかかります。
よい姿勢で自然な腹圧がかかるとからだが楽になります。呼吸も楽になります。呼吸が楽になると気の流れ、血液の流れがよくなり自然治癒力が高まります。
わるい姿勢で不自然な腹圧がかかると何げない動作で尿もれが生じたり、胃下垂や痔、鼠径ヘルニア、骨盤臓器脱などになることがあります。
健康な毎日をすごすためには(胃下垂を治すためには)、下腹に力が入り自然な腹圧がかかるような姿勢・動作を身につけることが大切です。
自分の体を守る主役は自分自身
ほとんどの病気は生活習慣病という見方をすることができます。
病気になる原因の多くは日常生活のすごし方・考え方にあります。
病気の原因が自分の生活の誤り(勘ちがい)にあるということに気づくことが大切です。本当の原因に気づくと、自分の体は自分で治すことができるようになります。
ここの所の「本人が病気の原因に気づく」というところがポイントになります。施術者の役割は、そのためのアドバイスやお手伝いをすることです。
まちがった姿勢の場合
一般的な「からだ」と「こころ」の変化
- からだ
- 下腹がポッコリと出る
- 腸内環境がわるくなる
- 食欲が低下する
- 生理痛になる
- クローン病になる
- 鼠径ヘルニアになる
- 不健康な体になる
- こころ
- 気持ちが不快になる
- 考え方が後向きになる
- 朝、起きれなくなる
- 元気がなくなる
- 表情が暗くなる
- 神経症になる
- 不健康な心になる
よい姿勢の場合
一般的な「からだ」と「こころ」の変化
- からだ
- おなかが引き締まる
- 腸内環境がよくなる
- 食欲がわいてくる
- 生理が楽になる
- クローン病が改善する
- 鼠径ヘルニアが改善する
- 健康(健やかな体)になる
- こころ
- 気持ちが楽になる
- 考え方が前向きになる
- 朝、早く起きたくなる
- 気力が湧いてくる
- 表情が豊かになる
- 神経症が改善する
- 健康(康らかな心)になる
さまざまな症状は比較的、軽い症状から重い症状へと移行していきます。
できるだけ早い段階で原因(生活)を正して、元の健康なからだに戻しておくことが大切です。
※患者さんの声は鼠径ヘルニア、自律神経失調症、尿漏れの所の患者さんの声を参考にしてください。
当院では鼠径ヘルニアの方が多く来院されます。鼠径ヘルニアの要因となっている内臓下垂を正していく過程において、さまざまな症状は連動して治ってくれます。